ヨーロッパ買い付けの旅 2024年冬④
イギリス滞在中の日々の買い付けはすこぶる順調で、その理由の一つは天候にあると思っています。フランスの初日を除いてずーっと晴れ。青空の広がる快晴が続いていて2月とは思えない暖かさです。道行く人の表情も穏やかだしタクシーの運ちゃんもご機嫌で「良い天気だね~」とか「アメイジング!」とか…会話も弾みます。ロンドンでこんなに良いお天気が続くのは非常に珍しいようで、私も今までのイギリスの旅で雨が降らなかったことは無い…くらい日々どこかのタイミングで必ず降られていたのでうんうんと納得です。気持ちの良いお天気だと普通の道を歩くのも軽やかで楽しい気分になるから不思議なもんです。長い距離を歩くのも重い荷物を持つのも苦じゃなくて、いつもより多くのマーケットやお店に足を運ぶことも出来ました。宿泊先の近くにV&A(ヴィクトリアアンドアルバート )ミュージアムがあったので宿に帰りがてら期間限定の『CHANEL』展の様子を見に行くことにします。『CHANEL』展を見るには事前予約が必要ですが、かなり先までSOLD OUTとなっていた為予約は取れずミュージアムショップだけでも、、と様子見です。(以前も書きましたがイギリスの良いところは美術館、博物館などの施設の入場料が無償(寄付のみ)だということ。だから何度でも行ける。実際、私は宿への帰り途で少し時間があると寄っていました)
『CHANEL』展は特別に入口が設けられていたので、中をチラリと覗き見る事も出来ませんでしたが、並んでいる方達を見ているだけでもワォとなりました。シャネルの洋服やバッグ、アクセサリーを身に着けている方が多くて皆さん着飾って来られていたのでまるでファッションショーの会場にいるような高揚感がありそれを眺めているだけでも値打ちがあるな~と思えて。しばらくその場をうろうろした後ミュージアムショップでパパッと買い物を済ませて帰路につきました。V&Aのコレクションは膨大なので見始めるとえらいことになってしまうので今回はスルーします。
(抜けるような青空の下のV&A)
このV&Aから少し歩くと老舗高級百貨店『Harrods』が見えてきます。普段の買い付けでは全く行くことのない場所ですが今回は立ち寄ります。『Harrods』のオリジナルトートバッグを買うために。持ち手がレザーになっている大きなサイズのジュートのバッグなんですが、それを持っていた女性と男性を駅で見て一目ぼれしたのです。女性は旅行カバンとして、男性はいくつものスポーツバッグと一緒に持たれていたのですが、2人とも中にパンパンにモノが入れてあり、その感じがまるで”L.L.BEAN”のトートバッグのようなラフな使い方だったのがとても新鮮に映りカッコいいな~「欲しい!」と。久しぶりに自分が持ちたい!と思いました。
(ハロッズ:ガイドブックから拝借)
数十年ぶりに入ったハロッズは相変わらずの人の多さと高級感でとにかく広く、行きたい場所を店内マップで何度見てもたどり着けなくて、ぅう~イライラする。おまけに何もかも高い。「チッ」いけないいけない…自分が歳をとったせいだな、きっと。。。目的を果たして、さ帰ろうって時にはぐったり。でもね、地下のフードエリアに行ったらいっぺんで目が覚めました。そこは夢の国でした♡ 他の追従を許さない圧巻のゴージャスさで、よく手入れされた年代を感じる重厚な什器に博物館のような天井、シャンデリア。。。その素晴らしい意匠の中で整然と並んだ数々のお惣菜やスイーツに食材etcがキラキラと美しい…楽しい楽しすぎる…私の中で何かがはじけた。サッと買い物カゴを持つやいなや、右見て入れる左見て入れる、夢中です。もぅ止まらない。さっきまでのイライラ、ケチケチした気持ちが吹っ飛んだ瞬間でした。買ったものほとんどはお土産ですが両手にいっぱい抱えて幸せな気分で帰路につきました。
『Harrods』は、”このフードホールだけにでも行く価値のある百貨店だ!と断言します!!(ゴージャスさと人の多さに圧倒されて、そして買い物に夢中で一枚も写真を撮ることができなかったのが不覚)
この勢いで翌日は超高級パティスリー『cedricgrolet』に行ってしまった。。
パリに本店がありクロワッサンや手の込んだケーキが有名なお店で、ロンドンは超高級ホテルの1階にあります。完全に場違いな感じだったのでチャチャっと買ってそそくさと退散しました。が、後で値段確認して(その場から早く立ち去りたくてちゃんと見なかったから)クラッ 軽くめまいが…勿論もちろん美味しいに決まっていますが、「これで何が買えただろう?」と思ってしまうあたりがなんとも情けない。。。「たまにはいいか」自分へのご褒美だと思うことにします(なんの?)