ヨーロッパ買い付けの旅 2022年春 ⑥

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フランスは全てが順調に過ぎ去りました・・・なのであまり書くことが無い(苦笑)イタリアと大違い。

今回の北フランスの買い付けの中で一番印象に残った景色は、中世の街並みが残るシャトーダン(Chateaudun)という小さな街にある古いホテルの内装です。シャトーはお城の事なので城下町という感じでしょうか。

そのホテルは1900年代初頭のアールデコの雰囲気がそのまま残ったような佇まいでした。ロビーの格子のタイルの床にアーチ形の仕切り窓、どっしりとした大理石で出来たレセプションのカウンターに重厚なレザーのソファー。。。いまいまのインテリア雑誌に出てくるような雰囲気ですが、ちょっとそれらと違っているのは本当に古いまま使われているという事。家具以外には手が加えられていない様子です。

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ほほ~っと感心してロビーのあらゆる所を触ったり椅子に座ったりしながら見ていると、カウンターにいた若いお兄さんが
「こっちにおいでよ」
と、カウンターの中に来るように手招きしていました。
え?カウンターの中に?と不思議に思いながら付いて行くと、カウンターの後ろにあるドアを開けて先に行くよう促されます。次の瞬間、目の前に明るい空間がパ~っと現れました。

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アーチ形の天井からは光が注ぎ沢山のグリーンが置かれたその場所はまるで温室のよう(な食堂)でした。
「わ~」
全く違う空間が現れたことに驚いている私に、お兄さんは更に
「こっちこっち」
と手招きします。このドアの向こう側に何かあるようです。


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現れたのは・・・
「ぇええええ~⁈」
突如現れた4台のビリヤード台。の先にまだ部屋が続いている(ようだ)

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突き当り左側 ↓
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右側にはバーのような ↓

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想像をはるかに超えたとても大きな空間に、ただ圧倒…です。
あのカウンターの後の扉の向こう側にこんな世界があろうとは!
お兄さんは一つの部屋に入るそのたびに電気を付けていく粋な演出で私をうならせます。
「ワォワォ」「ビューティフル」「ゴージャス」
なんとも、、、陳腐な表現しか出来ない私。
一番大きな突き当りの部屋はアールデコというよりはアールヌーボーっぽい・・曲線が美しくライトなんかもデコラティブです。今は誰もいないけれど、このフロアーが沢山の人達で埋め尽くされた光景が目に浮かぶようでした。
「ハァ~すごかった。。ありがとう。メルシ~」
なんかとても贅沢な時間だったように思います。

このホテルには1泊だけでしたが、部屋も廊下も階段も昔のままのようで(実際には部屋は使いやすくメンテナンスされていました)その当時の世界にタイムスリップしたような不思議な感覚になり貴重な体験をさせてもらいました。思えばシャトーダンの街全体がそんな空気を纏っているのかもしれません。

一つ残念だったのは部屋のライトが安っぽい提灯だったこと。なぜ?
後で聞くと、この辺りも中国の業者が入ってきているようでした・・・

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北フランスに行かれる際には是非!この場所をおススメします。


・・・そんなこんなで長かった旅も無事に終わります。
最後のPCR検査でちょっとしたヘマをしましたが、そんなのはどうってことないョと鼻で笑っちゃえるほど、今回は鍛えられた気がします。
ケッセラ~セラ~なるようになるぅ~♪

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(思い存分食べた食べたムール貝のワイン蒸し。やっぱりフランスは美味しい)


FIN