ヨーロッパ買い付けの旅 2022年春③
フリーマーケットでの買い付けも無事に終わり、この後はフランスに戻る飛行機に乗るためのPCR検査を受けて、もうちょっとだけ仕入れして、郵便局にて発送して、でフィニッシュの段取りです。
OSTUNIにはPCR検査を受けられれる診療所が無いため、近くの街までバスと電車を乗り継いで行かなければなりません。往復2時間近くかかります。一日仕事でした。
イタリアでは公共の乗り物に乗ったり、レストラン等の室内施設に入るには、この時期はまだイタリア独自のグリーンパスというQRコード状のワクチン接種証明書が必要で、都度係員が機械でQRコードを読み取ったり、スタッフに入口でグリーンパスを提示したりしていました。乗り物の乗り口にはQRコードを読み取る機械が設置されていてイタリアの人達は慣れた感じでタッチして乗り込みます。私はというと、その時日本のワクチン接種証明書はまだ紙の形状だったので(今はQRコード発行アプリがある)いちいち見せて確認してもらう必要があり手間と時間がかかります。OSTUNIのような小さな村より遅れている日本って・・・
意外にも(多くの死者を出したイタリアでは当たり前なのかもしれません)その確認がとても厳しくて、電車に乗る前に改札口にうようよいる(乗客に負けない数)係員がチェック、電車の中でも数名が抜き打ちチェック、と何度も証明書を見せなければなりませんでした。その確認の度に「QRコードを!」と言われるのでいちいち「日本の政府が発行しているワクチン接種証明書はこれです」と紙の証明書を出して説明をしないといけなくて、面倒くさいな~というのとその都度、日本、遅れてる・・・というのをヒシヒシと感じました。
(立派で大きな駅 )
その”日本遅れている”がマックスになる出来事が翌日に起こります。。。
ー翌日ー
明日のフランスへの飛行機の時間が早いため、この日の午後に空港の近くの宿に移動します。
その前に…最後の大仕事。郵便局から荷物を発送する作業です。今回は張り切って買い物したので、発送可能な大きさギリギリの段ボール箱に受付可能な重さ(20㎏)を入れたパッキン9箱を送る予定です。少しずつ何度も往復して郵便局に持ち込みます。時間のかかる作業なので朝一番、オープンと同時に郵便局に入ります。
・・・と、
ん?あれ?入れない。。なんで?
郵便局の出入り口は自動ドアです。踏んでも開かない。なぜ?
よ~くドアの横を見ると何度も見た機械が設置されていました。そう、あのQRコード読み取り機です。
ガーン。
なんとか他のお客さんにくっついて中に入ることが出来ました。
ホッとして中に入ると先に番号札を取るようにと書かれてあるので、”荷物の発送”のボタンを押します。
あら?押しても札が出てこないぞ・・・
またしてもQRコードです。それを読み込まないと番号札は出てこないような仕組みです。
「すみませ~ん」
大声で郵便局員を呼び「これは日本政府発行の…」と紙を見せて説明をすると、局員が自分のカードをかざして番号札を渡してくれました。
自分の番になり大きくて重たい荷物をもって窓口まで行き、日本まで発送したい旨を伝えて書類を一式提出します(書類は前日までに用意済み)しばらくすると、必要事項をパソコンに入力していた局員の手が止まりました。
「ワクチン接種証明書を」
「ぇえ?!荷物出すのにもいるの?」
驚きながら、例の紙の証明書を見せました。
「これではダメ。QRコードを」
「いや、QRコードは無くてね、これが日本の政府の…」
言い終わらないうちに
「QRコードがないと受付けできません」
「え?でも、これはれっきとした証明書なんです!」
「郵便局のシステムに入るにはQRコードが必須です。それを読み込まないとパソコンが先に進まないようになっています」
「な、なに~~~」
パソコンの画面を見せてもらうと確かに、QRコードの画面がバーンと一面にありました。
そんな、そんなアホな・・・そんなことって、、ある?
「そこを何とか!何とかなりませんか?この荷物をどうしても日本に送りたいんです。おたのもうします。頼みます~」
もう必死で懇願します。泣き落とし作戦です。
・・・けれどその局員は
「私も何とかしてあげたい。でもねシステムに入れないと私たちもどうすることも出来ないのよぉ」
・・・
そうか、、そうだよね、どうすることも出来ないよね、国のシステムやもんね。
理解はしているんですが受け入れられなくてその場にボーゼンと佇む私。
が、どうすることもできないので重い荷物(来た時よりも重く感じる)を引きずりながら退散。。。トボトボと。
どうしよう?どーしよー
宿に戻って積み上げた荷物を前にひたすら考えた。でも考えても何も浮かばない。誰かにグリーンパス貸して、と言うわけにもいかない。それに誰かって誰?
もうこの全てを私と一緒にフランスに持ち込むしか道はない・・ギョェー
考えるだけでも気が遠くなりそうです。この9箱をまずは次の宿まで運んで、明日にはその宿から空港まで運んで、で、飛行機に乗せてパリで受けて。この9箱約200㎏を…一人で…
そうこうしているうちに、空港近くの次の宿に向かう時間が迫ってました。事前にタクシーを予約していましたがこの荷物全てが入る大きなバンに変更します、とりあえず。
そして、、
お腹が空いたなぁ。。
この緊急事態に?と自分でも思いましたがお昼をとっくに過ぎているし、とても落ち込んでいたので食べて元気になりたかった(笑)
そうと決まれば、近くのパン屋に急げ!
以前にも書きましたがイタリアはシエスタがあるので昼を過ぎるとお店が閉まります。
滑り込んで、分厚いピザ(パン)と沢山並んでいた美味しそうな自家製の焼き菓子の数々をやけくそ気味にゲットです!食べてからこの先の道のりの事を考えるとしよう。。。
(ピザパンとなんだかよく分からないカリカリのパン)
(一体いくつ買えば良いんだか(笑) メチャクチャそそられる陳列だった)
続く・・・