アメリカ買い付けの旅2021年夏 ⑤
少ないニューヨークの滞在で、買い付けはほどんどせず、いつものように方々を歩き回ることもレストランに入ることも出来ませんでしたが、気になっていたいくつかのお店に行けて「へ~」「なるほど~」と新しい価値観を得られたり街なかでちょっとした発見があったりして、この立ち寄りは無駄ではなかったな、と思えたのは良かったです。
大好きなドーナツも食べられたし♪
ボータイドーナツ。数あるドーナツの中で不動のナンバーワン。あまり見かけない。。
さて…
身体も気持ちも休めてリフレッシュしたところで、、、買い付けを再開します!
マンハッタンから電車で北に2~3時間ほど行ったところがアップステートと呼ばれるエリアです。ハドソン川上流の緑豊かなこの辺りには最近、(裕福な)ニューヨーカーが移り住むようになってきてステキなお店も続々オープンしていると雑誌等で読みましたが、今回はその辺りのお店に行くのではなくそこで開催されるフリーマーケットでの買い付けが目的です。そのあとはこの旅のメインイベントのマサチューセッツ州のマーケットに流れていくので、これが買い付け始まりの幕が開くようなイメージです。
降り立ったのは Poughkeepsie駅。ポキプシー。舌をかみそうな地名、ポキプシー。
レンガと木材で出来た駅があまりにもカッコよくてびっくりしましたんですが、調べてみたところアメリカ合衆国国家歴史登録財に登録されており、1910年に建てられた立派なアンティークでした。ニューヨークのグランドセントラルを模倣したとのことでどうりで重厚な雰囲気です。一見の価値ありです。残念ながらアップステート情報はこの駅のみ・・・というのも翌日からは怒涛の買い付けの日々でほぼ写真は撮れず…だったのです。アップステートのフリーマーケットはアンティークだけではなく新しいモノや食べ物なんかもあり、なかなか楽しい内容でした。ニューヨークから来られている方が多かったように見えました。いつかアップステートのミュージアムや小さなお店に行きたいな~と後ろ髪を引かれつつこの場所を離れます。
フリマの後、今回は初めてコネチカット州からマサチューセッツ州に入っていきます。コネチカット州についてはニューヨークに近いので富裕層が多く治安が良い、大女優のキャサリンヘップバーンの本で何度も見た海が近くにあるステキな場所、と勝手なイメージを抱いていましたが、どこでもそうですがそれは場所による、ということが分かりました。近頃は目的地に行く際はグーグルマップを使う事が多いので距離だけみて「あ、このくらいなら歩いて行ける」と判断してしまうとえらいことになります。
宿泊先のハートフォードから電車で2時間ほどのところにある、大きな倉庫を改装したアンティークモールに行く予定を立てていました。モールには最寄りの駅からタクシーで行くことにしていたのですが、降り立った駅は日曜日の朝で人も車も無くシーン。じゃあ、と配車アプリのリフトで車を呼ぼうとしたら迎えに来るまでに30分以上かかると表示されておまけに高い。困ったな~ グーグルマップで距離を調べてみたらモールまでは歩いて25分ほどの様子、一直線の道なので迷うこともなさそうです。それなら、、と歩き出したはよいものの倉庫に近づくにつれて段々と周りの様子がおかしくなってきた。道路にはゴミや空き瓶が散乱しバイクや車は奇声を挙げてくねくね走り、道に座り込んでいるのはどう見ても浮浪者で。。こ、こわい…おまけに…うわっ見られている(汗)身体に巻き付けた財布の中の大金に意識を向けつつもそれを悟られないように、走っちゃいけないと超早歩きで進みますがドクドク…と心音が聞こえそうなくらい緊張しているのが自分でもわかります。引きつった表情はマスクで隠せていたのが不幸中の幸いです(マスクょ、ありがとう)。と、ようやく倉庫が見えてきた!やった!けどあと数十メートルのところにいるはずなのに何故かたどり着けない。それもそのはず、私がいるのは裏口だった。ぁあ…また表側にぐるりとまわりこんで行かなきゃいけない。倉庫の周りは高速道路と草むらのみで人の気配無し。これはこれでコワい。もう最後はなりふり構わず走りに走って息を切らし汗だくで到着しました。巨大倉庫のモールの中はのんびりと涼しい顔で買い物をする人達の平和な世界が広がっていて、ホッとするのと同時にここまで歩いてやって来た自分がなんともこっけいで危なかったのでホントにバカ、と思いました。当然、帰りはお迎えに来てもらいました。
そしてその夜…ホテルでTVのニュースをみていると、まさにその場所で昼間に銃による殺人事件があった、と報道されたのです。ひ、ひ~~(震)
グーグルマップは便利だけど気を付けなきゃいけない事、過信しちゃいけない事を思い知らされた一件です。
まぁ 確かにこんな物騒な場所もあるけど、コネチカット州はイエール大学(次回は行きたい)もあり学生が多く活気があり電車内もキレイだったし目的の巨大倉庫モールでは良い買い物が出来たので、懲りずにまた行きたいと思っています。車で!
(1920年頃に出来たコネチカット州ハートフォードの駅。アンティークでステキでした。)
そうして…
長かった旅もマサチューセッツ州の大きなフリーマーケットに行って終わりです。ここが勝負の場所(笑)なので勿論写真はありません。2年ぶりの開催で久しぶりに会えた者同士の熱いハグがあちこちで見られたことや日本人バイヤーがとても少なかったこと、天候不順で雨が多く7月の割に涼しかったこと、いつも楽しみにしているパイの販売が無くてガックリしたことなどが印象に残っています。
(森の中のお宝さがし、参戦!)
全ての買い付けを終えた後で食べたニューイングランド地方の名物 “クラムチャウダー”は絶品だった♪
(最もアメリカンな場所にてクラムチャウダーを。)
THE END